ペンダントライトを取付ている女性

初心者向け!ペンダントライトの簡単付け方【電気工事士監修】

本記事は電気工事士の監修のもと、ペンダントライトを取り付けたいと思っている初心者の方に向けて、取り付ける前の準備から注意点までを順を追って解説します。

ペンダントライトは部屋の雰囲気を大きく左右する照明器具であり、正しく取り付けることで見た目も機能性もアップします。ぜひ本記事を参考に、安全かつ正確な手順で取り付けに挑戦してみてください。

ペンダントライトの取り付け手順

最初に、ペンダントライトをどのように取り付けるかを決める前に共通して押さえておきたいポイントをご紹介します。天井の状態や必要な道具の準備など、基礎知識を身につけることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

天井の状態を確認する

照明配線器具

ペンダントライトを取り付ける際にまず確認したいのが、天井の状態です。具体的には以下の点をチェックしましょう。

天井に引掛けシーリングやダクトレールが設置されているか
・引掛けシーリングの形状(丸型、角型、埋込ローゼットなど)
・天井の強度(石膏ボードなのか、コンクリートなのか、下地はどうなっているのか)

もしご自宅の天井にダクトレールがある場合は、ダクトレール対応のペンダントライトを選べば取り付けが非常に簡単です。

一方で、天井に何も器具が付いていない状態でペンダントライトを直結(電気工事式)する場合は、電気工事士に依頼する必要があります。リフォーム業者や電気店などに取付をご相談ください

取り付けに必要な道具と準備

取り付け方法によって必要な道具は多少異なりますが、安全に取付するために一般的に以下が基本です。

・脚立(踏み台)
・ドライバー(プラス・マイナス)
・軍手や作業用手袋
・ペンチ(チェーン式の照明の場合に使います)
・メジャー(高さ・位置の調整用)

・絶縁テープ(電気工事式の場合など、電線処理が必要なとき)

特に天井付近での作業になるので、脚立は必ず安定した状態で使いましょう。また、電気工事式の場合はスイッチやブレーカーを落としたうえで作業を行うなど、安全対策が欠かせません。

ペンダントライトの重さを確認する

ペンダントライトの取り付けでは、器具の重さを把握しておくことも重要です。引掛けシーリング式のペンダントライトは引掛けシーリングの耐荷重に問題がない照明明と判断できます。重さのあるペンダントライトの場合は簡易取付式や電気工事取付式になります。

ここで注意したいことは、シーリングが天井にしっかりと固定されていない場合です。住宅の施工不備が原因による落下を防ぐためにも、取付前にシーリングが天井にしっかりと設置されているか確認してください。「グラつきがないか」「シーリングが欠けていないか」など重い照明を取り付ける場合には、天井から落下するリスクもあるので要注意です。

また、重いペンダントライトの場合は天井も強度の問題も出てきますのでハウスメーカーへ事前に耐荷重を確認しておいてください

引掛けシーリング式の取付方法

引掛けシーリング式の取付方法

引掛けシーリング式とは、天井に取り付けられた「引掛けシーリング」もしくは「ローゼット」などの器具に、照明器具のソケットを“カチッ”と差し込んで固定する方式です。一般家庭の天井照明の多くがこの形式を採用しており、最もポピュラーな取り付け方法と言えます。

【取り付け手順のイメージ】
1、壁スイッチを必ずオフにするか、事前にブレーカーを落とす。
2、天井の引掛けシーリングの形状を確認する。
3、ペンダントライト本体側の引掛けプラグを、天井の差し込み口に合わせてまっすぐ差し込み、回転・固定させる。
4、器具の高さ調整が必要な場合は、コードを巻き取ったりチェーンを短くしたりする。
5、取り付け完了後、スイッチを入れ、点灯を確認する。

この方法は比較的簡単な手順で行えますが、ペンダントライトのコードやチェーンの長さ調整時にはしっかりと固定されていることを確認してください。コードをねじったまま引っ掛けると、不安定になってしまうことがあります。

引掛けシーリング式のペンダントライトとは

引掛けシーリング式のペンダントライト

簡単に取付できるタイプの引掛シーリング式ペンダントライトをご紹介します。高さの調節機能や壁スイッチで光の色を変えることができるペンダントライトです

調光式  食卓用ペンダントライト 100W|光色切替タイプ

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簡易取付式の取付方法

簡易取付式の取付方法

簡易取付式のペンダントライトとは、天井に穴を開けたり大がかりな工事をしなくても、シーリングや引掛け器具を使ってある程度手軽に取り付けられる商品を指します。多くは引掛けシーリング式と同様に、シーリングにコードを差し込むだけで使用できるタイプが主流です。

引掛けシーリング式との違いは、ローゼットの左右についている金具にネジをつけて本体を固定する方式です。配線は引っ掛けシーリング式と同様にソケットを“カチッ”と差し込んで固定します。

【取り付け時の注意点】
1、ローゼットが天井についているか確認する。角形シーリング、丸型シーリング等が天井についている場合は天井下地へのビス止めが必要になり、難易度が上がります。
2、ドライバーを用意する(電気配線は触りません。照明に付属の金具をローゼットにネジ固定します。天井を傷つけません)

また、ローゼットのついている場所は重いペンダントライトを取り付けても問題ない構造とされていることが一般的ですが念の為、ハウスメーカーへ事前に耐荷重を確認しておいてください

簡易取付式のペンダントライトとは

簡易取付式ペンダントライト

簡易取付式のペンダントライトです。高さの調節はワイヤー調整で簡単におこなうことができます

ペンダントライト・食卓照明 高さ調節 ワイヤー吊 | 電球色 FL40W相当

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ダクトレール式の取付方法

ダクトレール式の取付方法

ダクトレール式のペンダントライトは、天井に取り付けられたレール(※ライティングレールとも呼ばれる)にダクトレール専用のペンダントライトや、専用のアダプターを使う事で、好きな位置に取付ができるタイプの照明です。ダイニングテーブル上など、複数のペンダントライトを並べたい場合に簡単に実現できます。

【取り付け手順のイメージ】
1、すでに天井にダクトレールがある場合は、スイッチをオフにして取付を始める。
2、ある程度、取り付ける場所は決めておく。
3、ダクトプラグをレールに当ててひねって、レールにはめ込む。
4、コード長さを調節できる場合は高さを調整する。
5、スイッチをオンに戻し、点灯を確認する。

レールがあらかじめ設置されている場合は工事不要で照明の取り付けが可能ですが、レール自体を新しく設置するには電気工事が伴います。気軽にレールを使いたい場合は簡易取付式ダクトレールを使用すれば電気工事不要でレールを使うこともできます。

引掛けシーリング式のペンダントライトをレールに設置したい場合はレール用引掛けシーリングアダプターを使う事でレール用ではないペンダントライトもダクトレールに取付ができるようになります。(ダクトレールの重量範囲内でご使用ください)

※ライティングレールとは東芝ライテックの商標です

ダクトレール式のペンダントライトとは

ダクトレール用ペンダントライト

スタイリッシュなおしゃれダイニングを演出するならダクトレール用ペンダントライト。ダクトレールがあれば簡単に取付できます

ペンダントライト クリアガラス×乳白セード 食卓照明|ダクトレール専用

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電気工事式の場合

電気工事式とは、天井に直接配線を接続して固定する方法です。店舗向けの照明など、完全な固定を求められる場所でペンダントライトを使う場所に採用されている方式なのでおしゃれなデザインも多く存在します。洗練された印象になる反面、作業には電気工事士の資格が必要とされるケースが多いのが特徴です。

【取り付け手順のイメージ】
1、スイッチを落とし、天井にある電気配線を確認する。
2、ペンダントライト側の電線と天井の電線を専用の接続器具(差込型コネクタや圧着)で接続する。
3、本体をネジ止め固定する。
4、スイッチをオンにし、点灯チェックする。

この方法は見栄えは良いですが、素人が行うと感電や火災のリスクを伴うため、安全上の理由からも電気工事士に依頼しましょう。また、賃貸物件の場合、原状回復義務があるため電気工事を勝手に行うと問題になる可能性があります。契約内容を事前によく確認することが重要です。

電気工事式のペンダントライトとは

電気工事式のペンダントライト

店舗向けの照明として、カフェや喫茶店などこだわりの空間にぴったりなレトロ風デザインです。電気工事での施工取付式ペンダントライトです

レトロ調 真鍮ブロンズメッキ・ペンダントライト(L)

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取付時のトラブルとその解決方法

ラブルと解決方法

ペンダントライトを取り付けたものの、うまく点灯しない、グラつく、などのトラブルが発生することがあります。ここでは、よくある問題点とその対処法をご紹介します。

取り付け後の点検と確認ステップ

取付後の確認事項は事前に把握しておくと確実な取付ができますので、取付後に万が一不安な箇所がある場合の参考にしてください

しっかり固定されているか
引掛けシーリング式の場合、カチッと音が鳴るまで回せているかを確認。
ネジ締め具合や本体の固定にゆるみがないかチェック。

コードがよじれていないか
コードがねじれていると傾きやグラつきや不安定の原因になる。

点灯しない場合のチェックポイント

・ブレーカーが上がっているか、またはスイッチがオフになっていないか
・電球自体が故障していないか(別の場所で点灯するか確認してみる)
・ソケットや差し込み口にホコリや汚れが詰まっていないか
・取り付け時にプラグがしっかり差し込まれているか(割れや破損がないか)
・ダクトレールの場合、レールとペンダントライトの凹凸を合わせて取り付けられているか再確認

これらを確認しても問題がなさそうな場合、配線の接触不良や器具の初期不良も考えられます。自力で判断が難しいときは、メーカーのサポートや電気工事の専門家に相談してください。

取り付けがうまくいかない時の対処法

シーリングやフックの形状が合わない
変換アダプターや別売りの引掛けソケットが用意されているか探す

コードやチェーンの長さが足りない・余りすぎる
コードが長い場合はコード調節部品を使用する。長さが足りない場合はご購入店舗にて相談ください(延長する安全な部品はありません)

天井に強度がなくビスやネジが留まらない
石膏ボード用のアンカーを使用するか、下地探しを使い下地のある位置を探す

※最悪の場合、器具が落下するなどの重大なトラブルにつながります。特に重量があるペンダントライトの場合は、必ず耐荷重を満たす部品を使い、確実に取り付けられるようにしましょう。

解決できない場合の対処方法

ペンダントライトの取り付けで問題が解決できないときは、次のような対処方法があります。

電気工事士に依頼する
電気工事式の場合はもちろん、シーリング式でも不安を感じる場合はプロに相談するのが一番安心です。
重量のある照明器具や、天井の状態が特殊なケース(コンクリート天井など)でも安全に取り付けられます。

購入元またはメーカーに問い合わせる
新品のペンダントライトが点灯しない場合や、説明書どおりにやってもうまくいかない場合は、初期不良の可能性もあります。
保証期間内であれば無償修理や交換対応が受けられることもあるので、連絡してみましょう。

ペンダントライトの取付方法についてのまとめ

ペンダントライトの取付

初心者の方がDIY感覚で取り付ける場合には、引掛けシーリング式や簡易取付式が特におすすめです。ダクトレール式の場合は、取付けや位置の調整が簡単にできるメリットがあるため、インテリアを季節や気分に合わせて変化させたい人には最適です。

一方で、電気工事を伴う取り付けや、重量物の照明を設置する場合は、安全と見た目の両面でプロへの依頼が必須です。自宅の天井がどのような状態で、どの取り付け方法が適しているかをしっかり見極め、購入前に十分な検討が必要なことを認識してください。

ペンダントライトは、お部屋のインテリアに大きな影響を与える重要なアイテムです。ご自宅の雰囲気をより魅力的に演出するためにも、正しい取り付け方と安全確認を怠らずに行いましょう。丁寧に準備と手順を踏むことで、長く安心して使える素敵な照明になります。ぜひ本記事を参考に、安全かつ快適なペンダントライトのある暮らしをお楽しみください。